2026/03/11
THE BESPOKEが仕立てるナポリスタイルジャケット
一般的にインターナショナルなスタイルと呼ばれるスーツは、構築的で直線的な仕立てが特徴です。
肩にはしっかりと芯を据え、胸増芯によって胸のボリュームを作り、全体をシャープに整えていく。
いわば「形を構築する」ことで美しいシルエットを生み出す仕立てです。
それに対して、ナポリの仕立ては少し考え方が異なります。
ナポリのテーラリングは、構築するというよりも
“身体に纏わせる仕立て”。
過度に形を作り込むのではなく、着る人の身体に自然と寄り添う柔らかさを大切にします。
その軽やかな着心地と優雅な雰囲気こそが、ナポリスタイルの魅力です。
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ナポリ仕立ての背景
ナポリ仕立てのスタイルが確立されたのは、20世紀初頭と言われています。
当時のイギリス仕立ては重厚で構築的なスタイルが主流でしたが、温暖な気候のナポリでは、より軽く快適に着られる服が求められました。
その中で生まれたのが、肩パッドを排し、芯材を最小限に抑えた軽やかなジャケット。
身体の動きに自然と馴染む柔らかな仕立てです。
このスタイルはやがてナポリの名サルト(仕立て職人)たちによって洗練され、
現在では世界中のテーラーに影響を与える一つのスタイルとして確立されています。
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マニカ・カミーチャ ― ナポリ特有の肩
ナポリスタイルを象徴するディテールのひとつが
「マニカ・カミーチャ(シャツ袖)」です。
肩パッドを排し、袖山に多くのイセを入れながら袖を取り付けることで、シャツのように柔らかな肩周りを作り出します。
この仕様により、肩先には優雅な丸みと自然なドレープが生まれます。
肩が張ることなく身体に馴染み、軽く包み込まれるような着心地を感じていただけます。
ナポリ仕立ての軽やかさを最も象徴するディテールの一つです。
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アイロンワークによる立体構築
胸まわりの立体感も、ナポリ仕立てでは芯材だけに頼って作るものではありません。
重要になるのがアイロンワーク(クセ取り)です。
布地のクセを丁寧に整えながら、胸からラペルにかけて自然な膨らみを作り出していきます。
このアイロンワークによって生まれる柔らかな立体感が、着用した際の色気あるシルエットを生み出します。
強く作り込まれた胸ではなく、
自然に立ち上がる胸のライン。
それがナポリらしいエレガンスを感じさせる部分です。
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手仕事が生むラペルの表情
ラペルにはハンドステッチを施しています。
機械縫製の均一な縫い目とは異なり、手仕事によるステッチにはわずかな揺らぎがあります。
その微妙な違いが、ナポリ仕立て特有のクラフト感を生み出します。
一見するとさりげないディテールですが、近くで見ると
人の手によって仕立てられた服であることが伝わる部分でもあります。
また、通常は入れられることの少ないゴージラインのステッチも、ナポリらしい遊び心のひとつです。
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軽さ・柔らかさ・丸み
構築的なスーツが持つ端正な美しさとは対照的に、ナポリスタイルは
• 軽さ
• 柔らかさ
• 丸み
この三つの要素が重なり合うことで、独特の優雅さを生み出します。
堅さで着るスーツではなく、
余裕と色気で着るスーツ。
それがナポリスタイルの魅力です。
日本では、スーツ愛好家の方を除くとまだあまり馴染みのないスタイルかもしれません。
しかし、この柔らかな丸みと軽やかな着心地は、一度袖を通すと癖になる仕立てです。
優雅なナポリスタイルを、ぜひ一度体感してみてください。
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THE BESPOKEの仕立て
仕立ては、単に服を作ることではありません。
生地に触れ、形を整え、人の身体に合わせて服を立体へと変えていく仕事です。
ナポリの仕立てには、
その手仕事の温度と、着る人の魅力を引き出す柔らかな美意識が宿っています。
THE BESPOKEでは、
ただ形の整ったスーツではなく、
袖を通した瞬間に心地よさと品格を感じていただける一着を目指して仕立てています。
ぜひ店頭で、ナポリスタイルの軽やかな着心地をご体感ください。
2026/03/06
Smith Woollens(スミス・ウールンズ)/ ABACUS(アバカス)
英国の老舗服地メーカー
Smith Woollens が手掛ける春夏の定番服地 ABACUS(アバカス)。
ABACUSは、春夏のスーツ生地として定番の 平織り(トロピカルウィーブ) をベースにしながらも、英国生地らしい骨格のある風合いを持つ服地として知られています。
軽やかな通気性としっかりとしたハリを両立している点が特徴で、暑い季節でも快適に着用できる春夏服地として多くのテーラーに支持されています。
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ABACUSの特徴を生み出す「Sahara Finish」
ABACUSの最大の特徴は、独自の仕上げ加工である Sahara Finish(サハラフィニッシュ) にあります。
この仕上げでは、織り上げた生地に対してまず シンジング(焼き毛処理) を施し、生地表面の余分な毛羽を焼き取ることでクリアな表情に整えます。
これにより生地表面の摩擦が抑えられ、さらりとしたドライタッチが生まれます。
その後、高温スチームを用いたプレス工程によって生地を強く圧縮し、繊維構造を安定させながら生地全体を引き締めていきます。
この工程によって適度なハリとコシが生まれ、仕立てた際に美しい立体感を保つ骨格が形成されます。
さらに湿式仕上げを抑えたドライなフィニッシングを行うことで、通気性を保ちながらシャリ感のあるタッチに仕上げられています。
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なぜABACUSはシワに強いのか
ABACUSが春夏服地として評価されている理由のひとつが、優れたシワ回復性です。
その理由は主に二つあります。
一つは、平織りによる安定した組織構造。
平織りは経糸と緯糸が均等に交差するため、生地全体のテンションバランスが安定しやすく、シワが定着しにくい特徴があります。
もう一つは、Sahara Finishによる 繊維配列の安定化。
強いプレス仕上げによって繊維が整列し、生地の復元力が高められることで、着用によって生じたシワが比較的戻りやすくなります。
これは、強撚糸によってハリを生む フレスコ系の服地とは異なるアプローチです。
ABACUSは強撚糸の硬さではなく、仕上げ工程によって生地の骨格を整えることで、軽さと復元力のバランスを取っています。
そのため、
・通気性
・軽さ
・シワ回復性
をバランスよく備えた、英国らしい春夏服地に仕上がっています。
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日本の気候にも適した英国服地
湿度の高い日本の夏では、スーツの着心地は生地の構造によって大きく左右されます。
ABACUSは通気性の高い平織り構造とドライな仕上げによって、肌離れがよく、蒸し暑い季節でも比較的快適に着用できる服地です。
また、適度なハリがあるため仕立て映えも良く、ラペルの返りや胸まわりの立体感が綺麗に出るのも魅力のひとつです。
軽快な着心地とクラシックな表情を併せ持つ、英国らしい春夏服地と言えるでしょう。
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テーラーとしておすすめしたい仕立て
ABACUSは軽快な平織りの服地でありながら、Sahara Finishによって適度なハリと骨格が与えられているため、仕立て映えの良い生地でもあります。
特にラペルの返りが綺麗に出やすく、胸まわりの立体感をしっかり構築するクラシックな仕立てとの相性は非常に良好です。
THE BESPOKEでは、この生地の軽さを活かしながらも立体感を損なわないよう、柔らかさと構築性のバランスを意識した仕立てをご提案しています。
例えばジャケットであれば、
・ナチュラルショルダーを基調とした軽やかな肩まわり
・立体的な胸のボリュームを作るバストライン
・美しく返るラペルロール
といったクラシックなディテールが、この生地の魅力をより引き立てます。
またABACUSは通気性とシワ回復性に優れているため、ビジネススーツとしてはもちろん、ジャケット単品としても取り入れやすい服地です。
春夏のスーツとして軽快に仕立てるのも良し、ブレザーのような感覚でジャケットを仕立てるのもおすすめです。
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最後に
服地にはそれぞれ個性があり、その個性をどのように仕立てに落とし込むかがテーラーの仕事です。
同じ生地であっても、仕立て方や設計によってスーツの表情は大きく変わります。
THE BESPOKEでは、生地の特性を見極めながら、その魅力を最大限に引き出す仕立てを大切にしています。
春夏のスーツをご検討の方は、ぜひ店頭にてご相談ください。
2026/03/04
たまには、こんなに変わり種のオーダースーツも!!
静岡市葵区でオーダースーツ・フルオーダーを手掛けていると、王道のクラシックとは別の角度からのご相談も増えてきます。
「楽だけど、きちんと見えるもの」
「カジュアルだけど、仕立ての良さがわかるもの」
今回ご紹介するのは、
そんな声から生まれたカジュアルなオーダースーツ(セットアップ)です。
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素材はスキューバベア ダンボールニット
使用したのは“スキューバベア ダンボールニット”。
ハイマルチナイロンを32ゲージという高密度で編み立てた、非常にテクニカルな素材です。
・圧倒的な伸縮性
・高いキックバック性(型崩れしにくい復元力)
・シワになりにくい安定性
・イージーケア性
まるでウェットスーツのような独特のハリと弾力。
ヘビーに着用してもシルエットが崩れにくく、日常使いにも最適です。
ただし——
伸びる素材ほど、仕立ては難しい。
生地が身体に合わせて伸びるからこそ、
“逃げ”を計算しなければ輪郭はぼやけます。
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テーラードの構築技術で「楽」を制御する
静岡市葵区でフルオーダーを行う当店では、
このスポーティーな素材を、あえてテーラードの構築技術で組み上げました。
肩傾斜の読み取り。
前身頃のクセ取り。
ラペルの返りの設計。
アイロンワークによる立体形成。
芯地の選定も通常のスーツとは変え、
素材の弾力を活かしながら輪郭を出す。
結果として生まれたのは、
ストレスフリーでありながら“骨格を感じる”シルエット。
既製のセットアップとの違いは、
サイズではなく「構築」にあります。
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あえて崩す、だから品が残る
パンツはトラウザースの象徴ともいえるクリースラインをあえて入れない仕様に。
裾はシングルでもダブルでもない、
デニムやカジュアルパンツに見られる“タタキ仕上げ”。
本来のルールを理解しているからこそ、崩せる。
だからこそ、大人の余裕が出る。
カジュアルだけど、だらしなくない。
リラックスしているのに、凛としている。
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メンズもレディースも対応可能
当店では、メンズのオーダースーツはもちろん、
レディースのフルオーダーにも対応しております。
ビジネススーツだけでなく、
こうした素材遊びのカジュアルセットアップも仕立ての領域。
静岡市葵区で
・オーダースーツを検討している方
・フルオーダーで自分だけの一着を作りたい方
・既製品では満足できない方
ぜひ一度ご相談ください。
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クラシカルなスーツとは違うベクトル。
けれど、根底にあるのは同じ“仕立ての理論”。
テーラードを知る大人が選ぶ、新しいカジュアル。
「楽を仕立てる」という贅沢を是非体感ください。
ご来店お待ちしております。
2026/03/01
【3月 営業カレンダー】
THE BESPOKE 【3月 営業カレンダー】
営業日は買付、出張により変更になる可能性がございます。
ご来店の際はご予約をお願い致します。
ご予約、お問い合わせは随時、お電話、ホームページ、インスタグラム、フェイスブックにて受け付けております。
お気軽にご連絡下さい。
ご来店心よりお待ちしております。
2026/02/12
Denim Order Suit|デニムオーダースーツという新しい選択肢【静岡・THE BESPOKE】
カジュアル素材の代表格であるデニム生地を使用し、クラシックな仕立てで構築したデニムオーダースーツのご紹介です。
THE BESPOKEでは、「スーツ=ビジネスウェア」という固定概念にとらわれない、ライフスタイルに合わせたオーダースーツをご提案しています。
今回の一着は、伝統的なテーラリングのディテールを取り入れながら、デニムならではの表情と経年変化を楽しめる特別なスーツに仕上げました。
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クラシックな段返りダブルブレストで仕立てるデニムスーツ
デザインは、下掛け段返りのダブルブレスト仕様。
クラシックなバランスで構築することで、デニム素材でありながら上品さと存在感を両立させています。
既製品のデニムセットアップでは表現できない、
•立体的なシルエット設計
•前肩・体型補正を含めたフィッティング
•着用時の見え方まで計算したラペル設計
これらはフルオーダーならではの魅力です。
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軽さと柔らかさを実現するコンフォート仕立て
芯材を極力使わないコンフォート仕立てにより、軽く柔らかな着用感を実現。
しかし、見た目はあくまでテーラード。
身体に沿う立体構造で仕立てているため、リラックスした着心地でもだらしなく見えません。
ラペルの美しい返りが生み出す陰影が、ラフな素材感の中に品格と奥行きを与えています。
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シルバーメタルボタンが生む絶妙なアクセント
ボタンには、クレスト(紋章)の入らないシルバーメタルボタンを採用。
主張しすぎず、それでいて確かな存在感。
デニムの表情と調和しながら、ジャケット全体の印象を引き締めています。
細部のパーツ選びまでこだわれるのも、オーダースーツの楽しさのひとつです。
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デニムオーダースーツは「育てる一着」
デニムスーツの魅力は、着用を重ねることで生まれるシワやアタリなどの経年変化。
•シワを楽しむ
•色の変化を楽しむ
•自分だけの表情に育てる
既製品ではなく、体に合わせて仕立てた一着だからこそ、より愛着のあるワードローブになります。
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静岡でデニムのオーダースーツを仕立てるなら THE BESPOKE へ
THE BESPOKE(ザ・ビスポーク)では、ビジネススーツだけでなく、
•デニムスーツ
•カジュアルオーダージャケット
•セットアップオーダー
•個性を活かしたデザインスーツ
なども幅広く対応しております。
「仕事にも使えるデニムスーツを作りたい」
「休日用の洒落たオーダースーツが欲しい」
そんなご相談も歓迎です。
ご予約・ご相談はお電話、ホームページ、インスタグラム、フェイスブックより承っております。
静岡でオーダースーツをご検討の方は、ぜひ一度ご来店ください。
お待ちしております。